ケーススタディ · 2023

草津温泉VANの静かな多言語の顔。

バーホテル「草津温泉VAN」の公式サイトをデザイン・実装・SEOまで一貫してリード。FigmaでのUI設計、Next.jsでの多言語実装(日英)、Lighthouseチューニングを担当した。

期間

2023
開発7ヶ月 + 保守

ロール

リード・デザイン・
フロントエンド・SEO

スタック

Next.js, styled-components,
Figma

チーム

1—10名
ホスピタリティ

機能より先に、宿そのものと同じ「丁寧さ」を設計する。

草津温泉VANは、群馬県・草津温泉にある「BAR and stay HOTEL」。長く続いた老舗がバーホテルとして生まれ変わり、滞在の各場面でバーテンダーが一杯をペアリング、客室には個別のプライベート温泉と湯船を望むアイランド型ミニバーが据えられている。サイトに求められたのは、機能ではなくトーン──宿そのものと地続きの空気感。デザイン・実装・インフラ・SEOまで一貫してリードした。

VANトップページのヒーロー。暗い背景にカクテルが一杯置かれ、中央に細いVANのロゴと最小限のナビゲーションが配置されている。
Fig 01 — ヒーロー。被写体ひとつ、暗いキャンバス、細いワードマーク。サイトはバーと同じ静かなトーンで始まる。

トーンは機能要件より壊れやすい。

静けさを設計し、それを高速に動かす。

Figmaでブランドの静かな声を設計

バーホテルはナイトライフ的な華やかさに振れがちだが、VANはその逆──「席に着いた瞬間にだけ劇場的になる」体験。抑制されたタイポグラフィ、ゆとりのある余白、大きな横長写真が主役。動きも抑える。サイトの役割は、現地での体験への期待値を整えることに絞った。

BARセクション。木のカウンターに置かれたカクテルの大判写真と、短い本文が下に添えられている。
Fig 02 — セクションのリズム。各場面に写真は一枚、本文は短く、装飾はなし。各セクションに呼吸を許す構造。
客室プレビュー。室内から望むエンガワと石庭の写真、その下に短い本文が配置されている。
Fig 03 — 画像で語る導入。スペックリストの前に、客室ごとの庭・プライベート温泉を写真で先に提示する。
ROOM 1詳細ページ。低い卓上に置かれた湯呑と椀のスチルライフ。中央に細いVANロゴと「ROOM 1」のラベル。
Fig 04 — 詳細ページはスチルライフとして組む。センター揃えのキャプション、狭いスペック列、語るのは写真。

コンテンツより先に、多言語の構造を作る

日英の2言語対応にあたり、i18n構造をコンテンツより先に設計。ルーティングとコピーのインターフェースを整え、翻訳者がレイアウトに触らず並行作業できる状態にした。後続言語の追加コストも下がる。

SEOは仕上げではなく、初日からの制約として

コンテンツ着手前にSemrushでキーワードリサーチ。実装中もLighthouseでチューニング──画像最適化、フォントサブセット、慎重なコンポーネント設計。SEOは「後で対応する仕上げ」ではなく、デザイン判断を形作る制約として扱った。

リリース後、静かに機能し続ける構造。

2言語
日英をローンチ時から対応
90+
Lighthouse Performanceスコア
約2年
2025年まで保守継続

雰囲気を、担当者の感覚だけに閉じ込めない。

保守運用では、新しい告知や写真を足すたびに静かなトーンが少しずつ崩れやすい。そこで、写真の大きさ、本文の長さ、余白の取り方、日英コピーの粒度を揃え、後から触ってもVANらしさが崩れにくい形にした。ブランドの静けさは、見た目の好みではなく、更新時にも守れる編集ルールとして扱った。

静かなトーンを保つための基準
写真
1セクションにつき主役の写真は1枚。説明用の細かい画像を増やしすぎない。
余白
情報を詰め込まず、写真と本文の間に呼吸できる余白を残す。
本文
長い説明より、短い情景描写と必要最低限の情報に絞る。
日英コピー
直訳ではなく、同じ情報量・同じ静かなトーンになるよう粒度を揃える。
更新
告知や追加情報も、装飾より読みやすさと静けさを優先する。